【高校留学】EALクラスってどんな授業?ネイティブの授業に合流するまでの道のり

EAL、ESL、ELC、ESOL…。留学について調べ始めると、英語の略語がたくさん出てきて、「どう違うの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、オーストラリアでの留学においてよく登場する英語準備コースやEALクラスについて、仕組みや内容、そして本科の授業(現地生と同じ授業)に進むまでの流れをご紹介します。

英語準備コースの仕組み

オーストラリアでは、英語力が入学基準に満たない生徒のために、州ごとに英語準備コースが用意されています。

名称は州によって異なり、たとえば以下のように呼ばれます。

  • ビクトリア州立校:ELC(English Language Course)
  • クイーンズランド州立校:HSP(High School Preparation)
  • サウスオーストラリア州立校:ISEC(Intensive Secondary English Course)

一般的には、約20週間(1ターム約10週間×2ターム)を英語準備コースで過ごした後、本科の授業へ進学する流れになります。留学業界関連者の間ではLanguage(ランゲージ)と呼ばれていることもあります。

たとえばビクトリア州では、多くの公立高校で校内に英語準備コースが設置されているため、英語準備コースに在籍中でも学校行事に参加できることもあります。留学生活の初期から、現地生と同じ制服で学校生活を始められるのは、大きな安心につながりますね。

一方、クイーンズランド州では、学内で英語準備コースを開講している学校は限られており、自分の進学先とは別の学校に通って英語を学ぶ場合があります。その後、英語準備コースを終えてから本来の学校に入る流れです。場合によっては、教育省認可の語学学校で英語力を高めてから、本科の授業へ進むこともあります。

南オーストラリア州は、その中間的な位置づけです。英語コースを設置している学校はクイーンズランド州より多く、学校によっては英語準備コース在籍中でも一部本科の授業を受けることがあります。こうした運用は、州や学校によって異なる場合があります。
なお、私立校ではコース名が異なることもありますが、目的は「英語力を高め、スムーズに本科の授業へ進むこと」という点で共通しています。

英語準備コースの期間

前述の通り、約20週間の在籍期間で入学許可がおりることが多いです。
英語力が十分に達していない場合は、1学期間ごとに在籍が延長されることもあります。
英語準備コースは「期間を終えれば必ず終了」というよりも、英語力の伸びを見ながら柔軟に進んでいくコースと考えるとよいでしょう。

英語準備コースの内容

「英語準備コースは英語だけだから、少し物足りないのでは?」
そう思われる方もいるかもしれませんが、実際には英語以外の学びも多く含まれています。

英語準備コースでは、英語力を伸ばすことを中心にしながら、以下のような内容も学びます。

  • 英語で学ぶ数学
  • オーストラリアの文化や社会を学ぶ授業
  • ITやパソコンの基礎
  • 体育などの実技科目

学校によって具体的な科目構成は異なりますが、英語以外の授業も時間割に組み込まれていることが一般的です。
たとえば数学でも、英語で授業を受けることを想像すると、意外と難しさを感じる場面は多いものです。
小数、分数、大きな数字、2乗、3乗、ルート、図形の名称や単位など、日本語では当たり前に使っていた言葉も、英語で学ぶとなると戸惑うことがあります。
英語準備コースの数学では、こうしたメインストリームで必要になる英語表現を基礎から身につけることができます。
社会科分野では、オーストラリアの歴史、地理、政治、文化などを学び、将来的に本科のHumanities系科目へ進むための土台を作ります。
また、オーストラリアと日本では季節や方角の感覚も異なります。
たとえば、オーストラリアの夏は日本の冬にあたり、日差しの向きや家の向きの考え方も北半球とは異なります。こうした基礎知識も、留学生活ではとても大切です。
英語準備コースは、単に「英語の勉強をする場」ではなく、オーストラリアで安心して学校生活を送るための準備期間でもあります。
授業のスピードは比較的ゆっくりで、留学生が理解しやすいように工夫されています。
間違えても大丈夫、分からなくても大丈夫、という安心感のある環境で学べるのが大きな特徴です。
英語の授業でも、発音が難しい単語をみんなで練習したり、試験前には持ち物や集合時間など、現地校で当たり前とされることまで丁寧に説明してもらえます。
現地生と同じクラスに最初から入ると、誰にも教えてもらえないような細かなルールに戸惑うこともありますが、英語準備コースではそうした不安を一つひとつ解消していけます。
そのため、入学当初に英語準備コースが組まれていなかった場合でも、実際に留学を始めてから「1学期間だけでも準備コースに入りたい」と希望する生徒も少なくありません。

本科の授業について

英語準備コースが終了すると、または必要な英語力に達すると、学期の区切りに合わせて本科の授業へ進みます。
本科の授業とは、現地生と同じ授業体系で学ぶクラスのことです。現地ではメインストリームと呼ばれます。
多くの場合、英語準備コース終了後は次の学期から本科のクラスに移ることになります。
このとき、どの学年に入るかは、英語力や終了時期、進学先の学校の判断によって変わることがあります。
たとえば、日本の中学校を3月に卒業し、4月からオーストラリアに留学した場合を考えてみましょう。
英語準備コースに20週間通うと、日本でいう高校1年生にあたる10年生に入れるのは、年内の最後の4学期のみ、というケースもあります。
オーストラリアの学校では、4学期の多くは試験や次年度の準備に充てられることもあり、短期間で本科の学習内容を十分にこなすのは簡単ではありません。
そのため、あえて9年生から始めて、翌年に10年生へ進むという選択を学校から勧められるケースもあります。
「日本と同じ学年に入りたい」と希望される方は多いですが、実際には、少し余裕を持って進んだほうが、英語力も学力も安定しやすく、最終的には良い結果につながることも少なくありません。
また、オーストラリアでは年齢よりも学年の進み方が柔軟で、日本のように一律で同じ年に進学するとは限りません。日本で言う「早生まれ」の生徒は翌年に小学校入学にするなど、小さいうちから延期するケースがよくあります。
そのため、同じ学年でも年齢差があることは珍しくありません。
時間や費用に余裕がある場合は、急ぐ必要はありません。

EAL(English as an Additional Language)について

オーストラリアの留学で特徴的なのが、EALという英語科目が広く設けられていることです。
EALは English as an Additional Language の略で、英語を第一言語としない生徒のための英語の授業です。
以前は ESL(English as a Second Language)と呼ばれることもありましたが、現在は EAL の名称が一般的になっています。
学校によってはEALが開講されていない場合もありますが、留学生が多い学校では、本科に進んだ後もEALを履修できることがあります。
EALの授業は、現地生向けの英語科目と非常に近い内容で進むことも多く、同じ小説や教材を扱うこともあります。
ただし、留学生が取り組みやすいように、評価基準や進度が少しやさしめに設定されている場合があります。
また、オーストラリアでは、英語圏での通学歴や在住歴が7年未満など、EALの対象条件が設けられていることがあります。
最近では、移民背景のある生徒も増えているため、学校によっては証明書の提出を求めるケースもあります。
EALは、各州の修了証にも関わる科目として扱われており、単なる補助クラスではありません。
日本でいう「国語」のように、正式な学習科目の一つとして位置づけられています。

ホームワーククラブについて

英語の授業についていけるか不安、という声もよく聞きます。
そのような生徒や保護者の方にとって心強いのが、学校で行われるホームワーククラブや各種サポートです。
学校によって内容は異なりますが、放課後に以下のような支援が行われていることがあります。

  • 数学のサポート
  • 英語のサポート
  • どの教科でも質問できる学習支援
  • 留学生向け、または全校生向けの補助クラス

先生が交代で対応したり、成績の良い卒業生がサポートに入ったりする学校もあります。
授業というよりは自習に近い形式ですが、分からないところをその場で質問できるため、苦手分野を少しずつ埋めていくことができます。
留学生向けの補助クラスは、「Homework Club」や「English Hub」など、学校ごとにさまざまな名前で呼ばれています。
たとえば、メルボルンの公立校Parkdale Secondary CollegeのEnglish Hubでは、毎週木曜日の放課後に1時間ほど、EALの先生が英語だけでなく他教科のサポートも行っています。

また、生徒のニーズに応じて、学校側が柔軟にサポート体制を見直すこともあります。
たとえば、英語での専門的な質問に対応しきれない場合には、現地生向けの補助クラスと連携しながら支援の幅を広げるなど、より実践的な形へと進化していくこともあります。

英語の授業に限ったことではありませんが、先生が自分のパソコンを繋いでプロジェクターで見せながら授業が行われることも多くなっています。

このように学校のサポートは1つの定まった方法ではなく、学生のニーズ、他の科目の先生からの提案や指摘などで留学生の英語力を伸ばす取り組みや学習支援がずっと続けられています。

いかがでしたか?オーストラリアの学校では、留学生が安心して学べるように、英語準備コース、EAL、ホームワーククラブなど、さまざまなサポートが用意されています。
大切なのは、単に「早く本科に入ること」ではなく、英語力と学力をしっかり育てながら、自信を持って学校生活を送れるようになることです。
留学生活は、英語の勉強だけではありません。
授業、友人関係、学校行事、生活習慣など、さまざまな場面で少しずつ成長していく時間です。
オーストラリア留学を検討されている方は、ぜひ学校ごとのサポート体制やコースの違いにも注目してみてください。自分に合った環境を選ぶことが、充実した留学生活への第一歩になります。
SEKAIAではさまざまな観点から学生ひとりひとりに合った環境選びのお手伝いをしています。興味のある方はぜひ、SEKAIAの無料個別相談や無料セミナーにお申込みください♪

*この記事はSEKAIAの留学コンサルタントの大八木(オーストラリア政府認定カウンセラー/JAOS認定カウンセラー)が監修しています。

パンフレット配布中

SEKAIA株式会社(SEKAIA Inc.)について

1989年創業、35年以上の実績を持つ留学・海外研修の企画運営企業です。2025年11月1日に「株式会社ICCコンサルタンツ」より社名を変更いたしました。

【主要プログラム】

  • 大学・大学院進学: オーストラリア大学出願センター運営、マレーシア大学進学など。
  • 高校留学: オーストラリア・ニュージーランド・カナダへの正規高校留学。
  • IBPビジネス留学: ワシントン大学、サンフランシスコ州立大学、シドニー大学、グリフィス大学、ウエストミンスター大学などと提携した、1年間のビジネス留学プログラム。
  • AIP(エアライン留学): 航空業界を目指すための専門留学プログラム。
  • 海外から日本への留学: 日本でのキャリア構築の為、海外学生・社会人向けに「Internship in Japan」を運営。

【認定・加盟】 JAOS(海外留学協議会)正会員 / 東京都知事登録旅行業第2-8694号