G’day mate!皆さんこんにちは、オーストラリアに大学留学していたジュンナです🐨
前回は就労ビザの具体的な申請ステップなどについて解説しましたが、今回は現在オーストラリアの大学在学中の留学生やこれから留学したいと考えている皆様へ読んでいただきたい内容です!それは…卒業ビザ(485)です!!
私もそうだったのですが、大学卒業を控えた頃「このままオーストラリアで働いてみたいな」と思った方も多いのではないでしょうか?そんな時に知ったのが“卒業ビザ(485ビザ)”でこのビザがあれば、卒業後も最長数年間オーストラリアで働くことができ、就職経験を積むチャンスが広がります。今回は、私自身や周りの友人の体験も交えながら、卒業ビザの基本や申請ステップをわかりやすく紹介します!!
目次📌
1. そもそも卒業ビザ(485)とは?どんな人が対象なの?
オーストラリアで大学や専門学校を卒業したあと、「もう少しこの国で働いてみたい」「せっかくなら実務経験を積んでから帰国したい」と感じる方は多いのではないでしょうか? そんな時に頼りになるのが 「卒業ビザ(Temporary Graduate Visa : Subclass 485)」 です。
このビザを簡単に説明すると、「学生ビザを終えた後も、一定期間オーストラリアに滞在して働くことができるビザ」。 つまり、勉強で学んだ知識を“実践”につなげるチャンスを与えてくれるビザなのです。
実際、私の周りの友人たちの中にも「卒業してすぐ帰国するより、一度現地で働いてみたい!」という思いから、このビザを活用していた人が多くいました。特に、就労ビザ(482など)のスポンサーをすぐ見つけるのは難しいため、まずこの卒業ビザを経て、次のキャリアへのステップを踏む人が多い印象です。
❖ 卒業ビザには3つのタイプがある
卒業ビザ(485)と一言でいっても、実はいくつかの種類(ストリーム)に分かれています。それぞれ対象や滞在期間が異なるので、自分に合ったタイプを知っておくことが大切です。
① Post-Higher Education Work Stream
大学や大学院などで学士号・修士号・博士号を取得した留学生が対象です。
滞在期間は 2〜4年 程度で、学位や専攻分野、学んだ場所(地方都市など)によって変わります。
たとえば、ブリスベン・シドニーなど都市部の大学を卒業した場合は2年程度、地方都市(Regional area)の大学の場合は延長措置があることも🎓。
② Post-Vocational Education Work Stream
TAFEや専門学校(Vocational Education)などで、職業関連の資格を得た人が対象です。以前は「Graduate Work Stream」と呼ばれていましたが、2024年以降に新制度としてリニューアル。
対象となるのは CSOL(Consolidated Skilled Occupation List) に掲載されている職業分野に関連する資格で、滞在期間は 最長18か月 程度です。
調理師、美容師、IT、幼児教育など“スキル職”を学んだ学生がこのビザを活用するケースが多いです。
③ Second Post-Higher Education Work Stream
すでに上記の「Post-Higher Education Work Stream」でオーストラリアに滞在している卒業生のうち、 地方都市(Regional Area)で学んだり働いたりしていた場合、さらに滞在を延長できるビザです。都市部から地方へキャリアを広げたい人や、永住権申請を視野に入れて経験を積みたい人に人気のストリームです。
❖ 卒業ビザの魅力とは?
このビザの最大の魅力は、「学んだ先で経験を積める」こと。 就職活動を通して企業とつながったり、実際の職場で英語を使って働いたりすることで、学生のときには得られなかった「リアルな社会経験」を積むことができます。また、ビザ期間中に就労制限がなくフルタイムで働けるため、「現地経験を積みたい」「永住権申請のポイントを増やしたい」という人にとっても大きなステップになります。
2. 卒業ビザを申請するための条件と必要書類
卒業ビザ(Subclass 485)を申請する際には、いくつかの条件を満たす必要があります。学生ビザと違って、卒業後の就労を目的としたビザのため、求められる要件も少しだけ複雑…でも大丈夫です!ここではポイントを整理しながら、必要な書類も一緒に紹介します。
❖ 申請の主な条件
① 申請時点で35歳以下であること
博士号取得者や香港・BNOパスポート保持者には例外がありますが、一般的には35歳未満が条件です。
② 直近6か月以内に学生ビザを保持していたこと
卒業後、学生ビザの期限が切れてから半年以内に申請を行う必要があります。タイミングを逃すと申請資格がなくなるため注意が必要です。
③ CRICOS登録のコースを修了していること
オーストラリア政府が認定する教育機関(CRICOS)で、2年以上の学習期間を修了していることが条件です。コースの種類や専攻内容が、自分が申請するストリーム(Post-Higher Education / Post-Vocational)と一致していることも確認しましょう。
④ 英語力の証明(IELTS 6.0 以上など)
申請時に有効な英語スコアを提出する必要があります。一般的にはIELTSでOverall 6.0(各セクション5.0以上)が目安ですが、2024年以降は一部のケースで基準が引き上げられる見込みです。
TOEFL、PTE Academicなども認められていますが、スコアは必ず申請前に最新情報を確認しましょう。
⑤ 健康・品行・保険の条件を満たすこと
ビザ申請時には、健康診断と無犯罪証明書(日本・オーストラリア両方)が求められます。
また、学生ビザ期間中に加入していたOSHC(Overseas Student Health Cover)は卒業後は無効になるため、OVHC(Overseas Visitor Health Cover)への切り替えが必須です。有名な保険会社は、BUPAやAllianzといったオーストラリア大手で私の周りでも多くのひとが利用していました。
❖ 必要書類リスト
申請の際には、オンラインで次のような書類を提出します。
- パスポート(有効期限が十分あるもの)
- CoE(入学許可証)および卒業証明書(Completion Letter)
- 成績証明書(Academic Transcript)
- IELTSやPTEなどの英語スコア証明
- 健康診断(Health Examination)結果
- 無犯罪証明書(Police Check)
- OVHC(卒業後用保険)加入証明
- パスポートサイズの写真(デジタル形式)
書類はPDFやJPEGでオンライン申請システム(ImmiAccount)にアップロードします。私の周りでも「健康診断の予約がなかなか取れなかった」「OVHCの加入を忘れていた」などの理由で申請が遅れるケースが多かったので、卒業の1〜2か月前から準備を始めるのがおすすめです。
❖ 申請のちょっとしたコツ
ビザ申請では「タイミング」と「正確さ」が大切です。
特にCompletion Letter(卒業証明)は大学から発行されるまで数週間かかることもあるので、早めにStudent Centreなどで発行依頼をしておきましょう。また、ImmiAccountでの申請画面は英語のみのため、慣れていない方は移民弁護士やMigration Agentに一度チェックしてもらうと安心です!
3. 申請の流れをステップごとに解説!
いよいよ卒業ビザの申請ステップです!学生ビザのときとは異なり、卒業後の就労を目的としたビザ申請は少し複雑に感じるかもしれません。でも、流れさえつかめば大丈夫。ここでは、これさえ読めば分かる申請の基本ステップを紹介します。
❖ ステップ①:卒業証明(Completion Letter)の発行を依頼
まず必要なのが、大学(または専門学校)からのCompletion Letter。
これは「この学生はすべての科目を修了しました」という公式な証明書で、卒業ビザ申請の第一歩です。
私が通っていたクイーンズランド大学(UQ)の場合、最終成績が確定してからStudent Centreを通して申請できます。発行までに数日〜2週間ほどかかることがあるため、早めに依頼するのがおすすめです。同時に、成績証明書(Academic Transcript)も取得しておきましょう。
❖ ステップ②:健康診断(Health Check)と保険の準備
次に卒業ビザを申請する前に、健康診断(Health Examination)を受ける必要があります。オーストラリア政府が指定するクリニックでのみ受けられ、ビザ申請番号(HAP ID)をもとに予約します。留学生の中には予約がいっぱいで数週間待ちになることもあるので、早めに動くのがポイント!
また、卒業後は学生ビザ用のOSHC(Overseas Student Health Cover)が使えなくなるため、先ほども少し触れたOVHC(Overseas Visitor Health Cover)に切り替えましょう。「Medibank」「Bupa」などが代表的な保険会社で、オンラインで簡単に加入できます🩺。
❖ ステップ③:ImmiAccountでオンライン申請
準備が整ったら、いよいよ申請本番です!💻 オーストラリア政府の公式サイト Home Affairs でImmiAccountを作成し、卒業ビザ(Subclass 485)のページから申請フォームに進みます。
入力はすべて英語で行うため、以下の内容を正確に入力することが大切です👇
- パスポート情報
- 滞在住所・連絡先
- 卒業した学校名・コース名
- ビザ履歴(学生ビザ番号など)
- 英語スコア、保険情報
入力が完了したら、必要書類をPDFでアップロードし、申請料をクレジットカードで支払います!
申請料の目安:
約1,895オーストラリアドル(2025年時点)
提出後、ImmiAccountでステータスが「Submitted」→「Processing」に変われば、あとは審査を待つだけです⏳。
❖ ステップ④:ブリッジングビザ(Bridging Visa A)の発行
学生ビザの期限が切れる前に卒業ビザを申請していれば、自動的にブリッジングビザ(BVA)が発行されます。このビザは審査中もオーストラリアに合法的に滞在できる仕組みで、条件によっては就労も可能です💼。ただし、旅行や一時出国には別のビザ(Bridging Visa B)が必要になる場合もあるので、長期で日本に帰る予定がある方は注意しておきましょう✈️。
❖ ステップ⑤:審査完了とビザ発給!
審査期間は申請状況や混雑具合によりますが、一般的には2〜4か月程度。ビザが発給されると、ImmiAccountにメール通知が届き正式なVisa Grant Letter(ビザ発給通知書)が発行されます。
この時点で、卒業ビザでの滞在・就労が正式にスタート!自分の専門を活かした仕事を探したり、ローカル企業でキャリアを積んだりする絶好のチャンスです。
▶まとめ
いかがでしたでしょうか?卒業ビザ(Subclass 485)は、オーストラリアで学んだ経験を「実際の働く経験」へとつなげる大きなチャンスです。手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、順を追って準備すればしっかり申請できます。
大切なのは、卒業前から計画的に動くこと。健康診断や保険の切り替え、書類準備を早めに進めておくと安心です✨
この記事はSEKAIAの留学コンサルタント吹中(JAOS認定カウンセラー)が監修しています。
ライター:ジュンナ
高校生の時にアデレードの高校へ留学のため渡豪。
高校卒業後はクイーンズランド大学へ入学し、Bachelor of Artsの学位を取得。
SEKAIAにてオーストラリアの大学留学に役立つ情報を執筆中。
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