G’day mate!皆さん、こんにちは。オーストラリアで大学留学していたジュンナです🐨
最近、「オーストラリアで反移民デモが起きている」というニュースやSNSの投稿を目にした方もいるかもしれません。これから留学を考えている人や、すでに現地にいる人にとっては、「自分大丈夫なの?」「留学生も対象なの?」と不安になる話題ですよね。私自身、オーストラリアで暮らしていた中で、“移民国家”と呼ばれるこの国の多様性と、その裏にある社会課題の両方を目にしてきました。この前編では、今オーストラリアで何が起きているのかを事実ベースで整理しながら、留学生という立場からどう捉えればいいのかを、できるだけ冷静に、分かりやすくお伝えしたいと思います。
目次📌
1. オーストラリアで起きている反移民デモとは?
最近、「オーストラリアで反移民デモが起きているらしい」という話を、ニュースやSNSで目にした方もいるかもしれません。これから留学を考えている人にとっては、「え、大丈夫なの?」と少しドキッとする話題ですよね。というのも今、オーストラリアの主要都市で「反移民」に関連するデモや抗議活動が複数回行われています。特に2025年8月31日と10月19日には、シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレードなどの都市で「March for Australia(直訳すると“オーストラリアのための行進”)」と呼ばれる抗議行動があり、話題になりました。(参照元:TheGuardian、ABCNews)これらのデモは「大量移民」に反対し移民政策の見直しを求めるもので、「移民が増えすぎている」「住宅が足りない」「生活費が高すぎる」といった不満が主な主張として掲げられています。ここで誤解を招かないよう大事なポイントが、参加者の多くは、移民そのものというよりも、急激な人口増加が社会に与える影響に不安を感じているようです!
一方で、同じ場所・同じ日に、反移民デモに反対する人たちによるカウンターデモ(人種差別に反対する集会)も行われることが多く、現場では警察が間に入って対応する場面もあったようで、中には緊張が高まり、軽い衝突や逮捕者が出たケースも報道されています。ここでもう1つ大切なポイントは、「これがオーストラリア全体の空気ではない」という点です。オーストラリアはもともと移民によって成り立ってきた国で、国民の約3人に1人が海外生まれと言われています!(参照元:Bloomberg)私が留学していた際大学や街を歩いていても、本当にさまざまな国籍・バックグラウンドの人がいて、それが当たり前の社会です。そのため、反移民デモに対しても「一部の声が大きく見えているだけ」「多様性を否定する動きには反対」という意見も存在します。実際、政治家や市民団体からも、こうしたデモに対する懸念や批判の声が出ているそうです。また、報道の中では、一部の集会に極端な思想を持つグループが混ざっていたことも指摘されています。ただし、こうした存在は社会全体から見るとごく一部であり、メディアやSNSでは実態以上に強く映ってしまうこともあります。留学生の立場から見ると、つい「反移民デモ」という言葉だけが一人歩きして、不安が膨らんでしまいがちです。私もこのニュースを初めて聞いたときは、「どういうこと?留学している学生達は大丈夫かな…」とぱっと見感じたのが正直なところです。でもこうした「反移民デモ」は、単に「移民そのものを嫌う」という単純な現象ではありません。経済や社会構造への不安、情報の誤解、歴史的背景といった複雑な要素が絡んでいます。そのため、何が起きていて、どんな背景があるのかを冷静に知ることが大切だと思います。
2. なぜ今、反移民の声が強まっているのか
では、なぜ今こうした声が強まっているのでしょうか?その背景には、単純に「外国人が嫌いだから」という理由だけではなく、今オーストラリアが抱えているさまざまな社会問題や誤解が絡み合っているという現実があります。まず今回のデモのポイントとして、多くのデモ参加者が口にしているのが「大量移民がオーストラリアに来すぎているのではないか」という不安です。実際、「March for Australia」の抗議デモに参加した一部の人は、移民が住宅不足や公共サービス不足の原因だと主張しているそうです。じゃあ、今オーストラリアはどういった社会問題を抱えているのか…ここでは、反移民の声が強まっている背景としてよく挙げられているポイントを、3つに分けて見ていきます。
①生活費の高騰(Cost of Living Crisis)
まず、多くのオーストラリア人が感じているのが生活費の急激な上昇です。スーパーでの食料品、電気代、水道代、ガソリン代…。私もこの一人なのですがここ数年で「前は普通に払えていたものが、気づけば高い」と感じる人が一気に増えました。特にコロナ以降、物価の上昇スピードが早く、「フルタイム(日本でいう正社員)で働いていても余裕がない」という声も珍しくありません。こうした不満の矛先が、「人口が増えすぎているのでは?」「移民が多すぎるから生活が苦しいのでは?」という形で、移民問題に結びついてしまうことがあるようです。留学生の立場から見ると、アルバイト代が上がらない一方で家賃や食費が上がっていると感じる場面も多く、「確かに生活は楽じゃないな…」と共感する部分もあるかもしれません。ただ、その原因がすべて移民にあるわけではない、という点は冷静に見ておく必要があります!
②住宅価格・家賃の上昇(Housing Crisis)
次に大きな問題としてあげられるのが、住宅不足と家賃の高騰です。シドニーやメルボルンといった大都市では、家賃が年々上がり、「部屋が見つからない」「インスペクションに何十人も集まる」といった状況が続いていて、私も留学していた第3都市と呼ばれるブリスベンもここ最近問題視されています。こうした中で、「移民や留学生が増えすぎて、住む場所が足りなくなっている」という見方が一部で広がっているのが実情のようで、実際、デモでも「家がないのは移民のせいだ」といった主張が聞かれることがあったそうです。ただし、住宅問題の背景には、色々な社会問題があり、ウクライナ戦争などで物資調達が遅れ建設の遅れや都市計画に影響。一部富裕層による投資目的の住宅購入など、複雑な要因が絡んでいます。これをみると、移民だけを原因としてしまうのは、問題を単純化しすぎているとも言えます。それでも、「家が見つからない」「家賃が払えない」という切実な不安がある中で、分かりやすい“原因”として移民が槍玉にあげられてしまうのが、今の現実でもあります。
③誤解やSNS上の情報の混乱(Misinformation)
そして見逃せないのが、誤解や情報の混乱です🎤📰。オーストラリア政府もSNSや一部のメディアでは、「移民が記録的に増えている」「国が壊れる」といった、少し極端な表現が 目立つことがあります。反移民デモが拡大する背景には、こうした社会の「不安」や「情報の誤解」、そして経済・生活の変化が複雑に絡み合っています。デモに参加する人たちの中には明確な差別意識を持たない人もいて、「このままだと将来が不安だ」という気持ちで声を上げているケースもあります。実際、ある参加者は「私たちは人種差別主義者ではない。ただ移民の数が増えすぎていると心配しているだけだ」というように語っています。(参照元:ABCNews)
そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、オーストラリアは多文化国家であり、移民や留学生が社会に大きく貢献しているという視点です。多様性が経済や文化の強みになっているという意見も根強く、反移民の動きに対して「分断を生む」と批判する声も多く聞かれます。まとめると、反移民デモの背景には…
✓生活の不安(住宅・物価)
✓誤解や情報のズレ
✓社会変化への不安
という複数の要素が絡み合っています。
3. 留学生はどう見られている?
「反移民デモ」という言葉を聞くと、どうしても「留学生も嫌われているのでは?」と不安になりますよね。SNSでは、一部で「デモが行われる日には外出を避けて!」と呼びかけをする人達もいました。(参照元:SBS_Japanese)でも実際には、留学生と永住移民・難民などを同一視している人ばかりではありません。オーストラリアでは、留学生は「学びに来ている存在」「経済や大学を支える重要な存在」として見られている側面も強く、大学や教育機関、ビジネスの現場では今も歓迎されているのが現実です。
一方で、ブログの前半でもお伝えした通りニュースやSNSでは「外国人が増えすぎている」という大きな主語で語られることが多く、その中に留学生も含まれているように感じてしまうのも事実。特に生活費や住宅問題が深刻な今、不満の矛先が“見えやすい存在”に向かいやすい状況があります。ただ、それは留学生個人に対する敵意というより、社会全体の不安や焦りが生んでいる構図だと感じます。ここで私が感じたのは、大切なのは、「どう見られているか」だけにあまり振り回されすぎないこと。留学生である私たちが、何を学び、どう現地社会と関わろうとしているのか——その姿勢こそが、周囲との距離感を決めていく要素でなのではないでしょうか?
▶まとめ
いかがでしたでしょうか?反移民デモの背景を見ていくと、今オーストラリア社会が直面しているのは「外国人がいるかどうか」ではなく、「どんな形で社会と関わっているか」という問いだと感じます。留学生もまた、その枠組みの中で見られ始めている存在です。後編では、こうした状況の中で留学生が現地でどんなことを意識し、向き合っていけばいいのか、私自身の経験も交えながら、より実践的な視点で考えていきたいと思います。
この記事はSEKAIAの留学コンサルタント吹中(JAOS認定カウンセラー)が監修しています。
ライター:ジュンナ
高校生の時にアデレードの高校へ留学のため渡豪。
高校卒業後はクイーンズランド大学へ入学し、Bachelor of Artsの学位を取得。
SEKAIAにてオーストラリアの大学留学に役立つ情報を執筆中。
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